マジックアカデミーって、ご存じですか?・・・・え?知らない??

ロワノルン王国の東の最果て、東ゴパルダーラ、ニルギリの森に位置する魔法使いの学校ですよ。

おや。おかしいですか?魔法使いが学校に通うというのは。
でも始めはみんな普通の人として生まれてくるわけですし。
教えられることによって、初めて魔法が使えるようになるのですから。
ええ、そうです。魔法使いは必ずしも家系というわけではないんですよ。
血というよりは、才といえるのではないでしょうかね。
あ〜、そもそも魔法というのは、誰もが簡単に使えるようなものではなくてですね・・。
「魔法使い」とは稀少で特別な・・いわば、取り分けられた一つの「種族」なのかもしれません。
フフ、血の繋がりはなく、どこから次が出てくるのかも分からない種族ですけどね。


ああ、そうそう、このロワノルンという国の話をしていませんでしたね。
今ではすっかり人間がハバをきかせてしまっているのですが、昔はずいぶんいたらしいんですよ。
いわゆる「人ならぬもの」が。
いえ、今もいることはいるんですけどね。すっかり森の奥に身を潜めてしまって・・。
街に住んでいると、お目にかかる機会なんてこれっぽっちもないんです。
昔は人よりずっと多くいたらしいですから。かなりの変わり様じゃあないですか。
・・・でもね、彼らにとってはその「人ならぬもの」は身近な存在だったりするんですよ。
え?誰のことだって?・・もちろん、アカデミーのひよっこたちの話です。
アカデミーのあるニルギリの大森林は楽園なんですよ。彼ら太古の生物にとってはね。
未だ果ての確認されていない深い森とのどかな田舎町に囲まれて、
その、謎に包まれた生き物たちや、多くの教師なんかに厳しく洗礼され、
魔法使いたちは不可思議で自然を越えた力を、内に取り込んでいくのです。

・・まぁ、こういうとずいぶん神秘的な感じがしますけどね。
本当のところ、魔法使いというのはのんきで陽気な・・ええ、人なつっこい種族なんですよ。とてもね。


一つ、話をしましょうか。
そうです。アカデミーの、ある生徒の話です。
ええ、とっておきの話ですよ。
いずれ国一番の大魔法使いと評される四人の若者たちが、アカデミーに入学した ばかりの、ひよっこどころか・・そう、まだ、たまごだった頃の話です。
ふふふ、そんな魔法使いが、昔は先生も手を焼く落ちこぼれだったなんて。
どうです?興味深い話じゃあないですか。
彼らの奮闘ぶりときたらそりゃあもう、・・とても一晩では語り尽くせるものではないのですけれどね。
そうですね。どこから・・話しましょうかねぇ。


人影のまばらなある夜の酒場にて、黒いローブの男からきいた話・序




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BGM from
オルゴールの城  
星の塔
music by Sora Aonami



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